2002年5月20日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の市田忠義書記局長は十九日、NHK「日曜討論」に出演し、中国・瀋陽総領事館事件や終盤国会への対応などについて各党代表と討論しました。
このなかで市田氏は「道理ある外交を進めるためには、真実に立つことが先決だ」とのべ、総領事館事件の真相究明こそ、日本外交にたいする国の内外からの不信を克服する道だと強調しました。
自民党の山崎拓幹事長は、総領事館立ち入りには総領事の同意が必要だとのべ、中国側に同意した事実はないと主張。市田氏は、中国警察が総領事館に立ち入った際の日本側の対応について、「抗議や不同意の意思を明確に示したということは、現場ではまったくなかった」と指摘しました。
その上で、一連の経過からみると、「当初は日中協力して対処していたが、後から外務本省から抗議せよと指示があったため、それまでの行動を無理に合わせようとしたので、次々とぼろが出てきている」とのべ、「事実究明なしに中国側に抗議しているだけでは、人道的な解決の道は開けない」とのべました。
市田氏は、“政治亡命”を希望する難民の受け入れについて、日本は欧米と比べ、認定者数が著しく少ないことや、在外公館では難民を一切受けつけていないことを指摘し、「もっと人道的立場から日本の対応を考えるべきだ」と主張しました。
また、会期延長について、「悪法をゴリ押しするための会期延長には反対だ」と強調し、有事法制三法案の廃案を要求。公共事業受注企業からの献金を禁止する法案や、あっせん利得処罰法改正などを優先して行うべきだとのべ、個人情報保護法案は撤回すべきだとのべました。
山崎氏は、有事三法案について「今週中に(衆院を)通したい」とのべました。