2002年5月22日(水)「しんぶん赤旗」
質問する矢島恒夫議員=21日、衆院本会議 |
郵便事業への民間参入を初めて認める信書便法案など郵政関連四法案が二十一日の衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の矢島恒夫議員は一部宅配業者のもうけのために郵便事業の根幹を掘り崩すなど法案の問題点を追及しました。
矢島氏は信書便法案について、民間の参入条件を緩和して低コストで利益のあがるダイレクトメールなどの分野を民間に開放し、コストのかかる通常の郵便は郵政公社がおこなうことになれば通常郵便の値上げにつながると指摘。さらに学術や福祉関連の郵便物を割り引きする第三種・第四種郵便も値上げを可能にする法案の仕組みを示し、「第三種・第四種郵便の値上げは障害者の情報保障のはく奪であり、人権問題そのものだ」と批判しました。
小泉純一郎首相は「日本郵政公社がいっそうの経営努力をはらうことによって維持していけるのではないか」などと答えるだけで、制度維持のための明確な保障を示しませんでした。
矢島氏は日本郵政公社法案について、「公共の福祉を増進する」という規定が記述されていないことなどにふれ、「公共の利益を目的から欠落させた郵政公社は民間企業と紙一重であり、小泉首相の郵政民営化の一里塚だ」と批判しました。
小泉首相は「(法案は)将来、郵政民営化に向けた一里塚だ」と答弁。今回の法案が「国民の零細な貯蓄を守る」ことを目的とする郵貯・簡保を弱体化させる郵政民営化への道を開くものであることを認めました。