日本共産党

2002年5月23日(木)「しんぶん赤旗」

米兵の受刑者は食事も優遇だって?


 〈問い〉 日本で犯罪を犯した米兵は刑務所に収監中も、特別メニューで優遇されているそうですが、どうなっているのですか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 基地の町である神奈川県横須賀市の横須賀刑務所は、公務外(仕事中でない時間)に犯罪を犯し、有罪になった米兵を収監しています。日本で唯一、米兵受刑者を収容する施設ですが、別棟には日本人受刑者も収監されています。

 ここでは犯罪を犯した米兵に対し、日本の刑務所当局が特別に優遇しています。米兵犯罪者の房(部屋)には、スチーム暖房が設置され、特別メニューの食事も提供されています。

 たとえば、食事についてみると、米軍で食べている食事と同様の食材料が米側から差し入れされ、毎日、ステーキやフルーツ、ケーキなどが出され、三食ごとにコーヒー、牛乳がつくなど、特別あつかいを受けています。しかし他の外国人受刑者や日本人受刑者には差し入れを認めておらず、米兵受刑者だけ特別メニューで優遇することは、受刑者間の差別そのものです。

 この差し入れを認めるか否かは刑務所所長の裁量とされていますが、実は、日米安全保障条約・日米地位協定にもとづく日米両政府の「合意事項」などを背景に、「食習慣の考慮」といった口実で、犯罪を犯して監獄の中にいる米兵にも“保護”が及んでいるのです。

 国会でこの問題を取り上げたのは、日本共産党だけで、最初は一九九七年、緒方靖夫参議院議員が追及しました。今年四月の参院法務委員会で、井上哲士議員がふたたびとりあげ、五年前とほとんど変わっていないと追及し、「公正な司法の信頼という点からも、処遇の改善は平等に行い、アメリカ兵受刑者の特別扱いはやめよ」と迫りました。森山真弓法務大臣の答弁は「最終的には、このやり方は廃止するのが望ましい。しかし、何十年も続けているので簡単にはいかないが、鋭意米国側と折衝し、適切に対処したい」というものです。(板)〔2002・5・23(木)〕

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp