2002年5月26日(日)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 この五月開かれた、国連子ども特別総会ではどんなことが決められたのですか。 (東京・一読者)
〈答え〉 今年五月八日から十一日までニューヨークで開かれた国連子ども特別総会は、ほとんどの国連加盟国の代表と千七百人のNGO代表、五百人の子ども代表が参加しました。一九九〇年の「子どものための世界サミット」のとりくみをふまえ、今後の行動が話し合われました。米ブッシュ政権がこれまでの確認事項に難色を示し難航しましたが、採択された最終文書は四分野、二十一項目の行動計画を定めています。
子どもたちの健康な生活を増進する課題では、▽いま出生千人あたり八十一人となっている五歳未満児の死亡率を、二〇一五年までに三分の一以上削減する▽途上国では27%を占める五歳未満児の栄養不良を三分の一以上減らす▽妊産婦死亡率を三分の一以上減らす―などを決めています。
子どもたちに質の高い教育を提供する課題では、▽現在18%にのぼる初等教育を受けられない子どもを二〇一〇年までに半減▽〇五年までに初等・中等教育での男女格差をなくし、一五年までに教育での男女平等を達成する―などをあげています。
虐待、搾取、暴力から子どもを保護する課題では、地域紛争の拡大で一千万人以上となった十八歳未満の子ども難民や、三十万人もの子ども兵士の問題、二億人近くにのぼる児童労働などが報告され、十八歳未満の徴兵禁止や児童売買禁止などを定めた、子どもの権利条約の二つの選択議定書の批准・実施をはじめ、児童労働廃絶のための戦略の作成・実施などが決められました。
また、HIV(エイズウイルス)とのたたかいの課題では、十五―二十四歳の青年では一日に八千人がHIVに感染しているなどの状況が報告され、一〇年までに十五―二十四歳の感染者を25%削減するため各国目標を〇三年までに確立することなどを決めました。
(清)〔2002・5・26(日)〕