日本共産党

2002年5月28日(火)「しんぶん赤旗」

事実関係の再調査を

総領事館事件で緒方議員要求

参院委


 日本共産党の緒方靖夫議員は二十七日の参院予算委員会で、中国・瀋陽総領事館事件について質問。このなかで「現場の責任だけにできない日本外交全体の深刻な問題だ」と述べ、国民からも信頼されていない報告書について、外務省に事実関係の再調査を指示するよう首相に求めました。

 緒方議員は、「事件の展開で決定的な場面」は副領事が亡命希望者の五人と対面した唯一の機会に、中国側の妨害も受けず、北朝鮮国籍を確認しながら、手紙をつき返したことだと指摘。この行為が「国際常識でも、国連専門機関の解釈でも、日本政府は亡命受け入れを拒否したことになる」と批判しました。

 そのうえで、外務省の調査報告書にこの事実が記載されていなかったことにふれ、「中国が不可侵権を侵害したというなら、真実に立脚しなければ正々堂々と外交ができない」と政府の見解をただしました。

 「正々堂々と訴えている」と開き直る小泉純一郎首相に対し、緒方氏は、「隠し事をしては、外交交渉での自らの立場を弱めることになる」と批判しました。

 緒方氏は、副領事が「言葉を発する間もなく」男性二人が査証待合室から連れ出されたと報告書でに記載されていることについて、「だめだ」の一言ですむはずだと指摘。外務省が瀋陽から連絡を受けてから抗議の方針を決めるまでに二十分かかったことをあげ、「主権侵害の認識があったら、すぐに指示ができたはずだ」と追及しました。小泉首相は「現地での対応に不適切な点があった」と述べるにとどまりました。

 


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