2002年5月30日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の佐々木憲昭議員は二十九日、衆院厚生労働委員会で医療保険の財政問題を取り上げ、国民に空前の負担増を押しつける一方、国の負担は減らし続ける政府の姿勢をただしました。
佐々木氏は、医療費に占める国庫負担の割合が二十年前とくらべて5・2ポイントも減ったのに対し、保険料と患者負担は両方増えた(表参照)ことを示し「国の出すべき部分が後退し、その分を国民にかぶせている」と批判しました。
また、改悪によって保険料が値上げされる政府管掌健康保険の場合、国庫負担が導入された八〇年には法律で国庫負担率を「16・4%から20%の範囲内にする」と決められていたことを指摘。それを九二年に13%へ引き下げ、その際に財政が悪化すれば「復元」すると政府が答弁していた事実を示し、「約束違反だ」と迫りました。厚労省の大塚義治保険局長は「各制度とも厳しい状況下では、政管健保のみ引き上げるとバランスが失する」と答弁。佐々木氏は「全体を引き下げていることが問題。高齢化社会に向けて国庫負担を増やすべきなのに、国はその責任を放棄している」とのべ、医療保険への国庫負担を元に戻すよう求めました。
佐々木氏は、坂口力厚労相(公明党)に対し、九八年には当時の公明が「新たな患者負担増に反対します」と公約していたにもかかわらず「今度は患者負担をどんどん増やす。姿勢が百八十度違う」と指摘。厚労相は「大きな方向性は変わっていない」と居直り委員会室に失笑が起きました。