日本共産党

2002年6月2日(日)「しんぶん赤旗」

新たな被爆者つくる気か

政府首脳の非核3原則見直し発言

首相「どうってことない」


 政府首脳が五月三十一日夜、核兵器の保持などを禁ずる「非核三原則」について、見直すこともあり得るとの見方を示したことに、内外からきびしい批判があがっています。この問題で小泉純一郎首相は一日、「あれはどうっていうことはない」と発言、問題視しない姿勢を示しました。

国会で徹底追及

市田書記局長が批判

 日本共産党の市田忠義書記局長は一日夜、東大阪市で開かれた「長尾市長とともに東大阪市民のつどい」での演説で、小泉純一郎首相が「非核三原則」の見直しを示唆した政府首脳の発言を「どうってことないよ」とのべ追認したことについて、「これが被爆国政府の代表のいうことか、海外での武力行使に足を踏み出す法案が国会で大きな問題になっているとき、ここまで言うかと驚きと怒りを禁じ得ない」と厳しく批判しました。

 市田氏はさらに「期限を切っての核兵器の廃絶が問題になっている世界の流れにまったく逆行しており、絶対に許すことはできない。週明けの国会で徹底的に追及する」との見解を明らかにしました。


 非核三原則 核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」という日本の基本的政策。一九六七年十二月に佐藤栄作首相(当時)が、沖縄返還問題をめぐる「核兵器持ち込み反対」の世論におされて、国会答弁で打ち出したもの。沖縄返還の際に衆院本会議で決議され、以来「国是」とされています。


韓国与党が撤回要求

 韓国の与党・新千年民主党(民主党)は一日、日本政府首脳の非核三原則見直し発言を厳しく批判し、撤回を要求した声明を発表しました。

 声明は、政府首脳発言が「ワールドカップ(W杯)共同開催で高まっている韓日間の友好協力の雰囲気に冷や水を浴びせかけるばかりか、東北アジアの平和・安定体制を害する重大で危険な発言だ」として、「日本政府は核兵器保有の主張を公式に撤回すること」を求めています。

 さらに、W杯開幕式に合わせて訪韓した小泉首相が「『現政府のもとでは非核三原則を変える考えはない』と述べたが、『現政府のもとでは』という前提があり、その(核保有の)可能性に道を開いている」と指摘し、「侵略の経験をもつ日本が核兵器を保有することを憂慮し、反対する」と強調しています。

 


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