2002年6月3日(月)「しんぶん赤旗」
日本共産党の筆坂秀世書記局長代行は二日、テレビ朝日系・サンデープロジェクトに出演し、自民、民主、公明の各党代表と討論しました。この中で筆坂氏は、政府首脳が核兵器の保持、製造、持ち込みを禁じた「非核三原則」見直しもありうると発言し、福田康夫官房長官が「法理論上は核兵器を持つことができる」とのべた問題について「非常に深刻な問題で、官房長官としての資格を問われるものだ」と批判しました。
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筆坂氏は福田氏の発言について、「核兵器・大陸間弾道ミサイルまで持てるというのは、憲法九条が『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない』としているもとで、全く通用しない。政府のこれまでの憲法解釈からも外れている」と批判。「非核三原則」との関係について「政府はこれを国是、つまり国の最高方針だといってきた。福田赳夫元首相も一内閣の問題でなく、内閣がかわっても守るものといってきた。ところが、福田官房長官は自分の発言を『小泉内閣ではということだ』といっている。将来はわからないということで、国是を見直すという姿勢だ」と指摘しました。
発言の背景について、「この間、アメリカがCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准を拒否するとか、ABM条約(対弾道ミサイル・システム制限条約)から脱退するとか、核兵器の使用を公言するとか、核戦略を非常に強めている。そのことと今度の発言は無関係なのだろうか」と疑問を投げかけ、「(この発言は)タガが外れているか、そうでなければ意図的なものだ」とのべました。
町村信孝自民党幹事長代理は福田氏の発言について「国会で重要法案が審議されている最中で軽率だ」としつつ、「理論と現実の政策は別だ」などと釈明しました。
防衛庁の情報公開請求者リスト作成問題について筆坂氏は「問題の自衛官は防衛庁全体に情報を渡していた。これを組織ぐるみでないということは全く通用しない」と批判。「しかも、(情報公開請求を受けつける)情報公開室に勤める人のうち五人が、国民の情報収集や自衛隊の秘密保全を専門任務としてきた人物だ」と指摘し、「意図的にこうした人物が公開室に配置されたと思う」とのべ、情報公開の名で国民を監視する情報収集が行われていたことを浮き彫りにしました。