2002年6月3日(月)「しんぶん赤旗」
東京・練馬区の有事法制反対光が丘連絡会が、「私も有事法制に反対します」という趣旨に賛同する人を地元で五百人募り、賛同者名入りビラを作ろうと取り組んでいます。藤原義一記者
同連絡会は、憲法記念日の五月三日にできました。日本共産党の猿田博文区議事務所の呼びかけで光が丘、田柄、旭町、高松の各地域の新日本婦人の会の人、党支部の人が集まり、有事法制三法案を廃案にさせるために地域の団体や個人に呼びかけて草の根の運動をと準備してきたものです。
結成の集まりで、五百人の有事法制三法案反対の賛同署名者の入ったビラを作ろうということになりました。
呼びかけ人には弁護士、大学教授、団地自治会長、主婦ら四十五人が名を連ねてくれました。
呼びかけ人の一人、保育士の原純子さん(36)は八歳、六歳、一歳の二女一男の母親。「有事法制三法案が通ったら、平時から戦争態勢が作られて、教育の内容も、その方向で変わっていくと思います。子どもたちがどんな教育を受けるのか心配です」と、語ります。
同連絡会では呼びかけ人の名前を載せた「賛同署名のおねがい」の文書を持って、各戸に「あなたも賛同者に」とお願いしています。
鈴木節子さん(72)=看護師=は「おねがい」を入れた封筒に趣旨を書いて渡しておいて、後で訪問して話し合い、九人に賛同者になってもらいました。
戦争中の一九四四年、女学校の生徒だった鈴木さんは兵器工場に動員され、特攻機のエンジンのピストンリングを作りました。その部品に「神風」「菊水」と彫り込まれていたのを覚えています。「純粋無垢に人殺しの兵器を作りました。これからの若い人を、そんなふうにさせたくありません」
小嶋ひろみさん(42)=主婦=は「『おねがい』を持って訪問すれば、そこで考えてくれるし、名前を出せない人もカンパをしてくれます。ある女優さんは『きな臭くて、なにかしなくてはと思っていました』と五千円カンパしてくれました。戦前から反戦平和を貫いてきた日本共産党の一員として廃案になるまで頑張ります」。
二日の日中、高層住宅が建ち並ぶ光が丘の区民センター前の広場には同連絡会ののぼり、「守ろう九条 ストップ有事法制」の横断幕が。同連絡会が毎日曜日やっている街頭宣伝です。
司会は猿田区議(56)。七人がマイクを取り、それぞれの同法案反対の思いを語ります。
周りでは同法案反対の国会請願署名の訴えも。
サインした冨田菜津希さん(19)=専門学校学生=は「戦争になったら困るので反対です」。
署名を訴えてきた金子淑子さん(69)=主婦=は「年配者はサインをしながら自分の戦争体験を語って『二度と戦争はごめんだ』といっていきます」と語ります。
同連絡会は、五日午後七時から、光が丘区民センターで日本共産党の筆坂秀世政策委員長を迎えて「『有事法制』がわかる寸劇学習会」を開きます。
五百人の名前を連ねたビラは今月中旬にできあがる予定。地域の約三万世帯に配布します。