日本共産党

2002年6月5日(水)「しんぶん赤旗」

BSE対策法案が衆院通過

世論と運動が政治動かす

野党四党が報告集会

市田書記局長あいさつ


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「BSE対策新法」成立に関する報告集会であいさつする市田書記局長(正面右から3人目)=4日、衆院第2議員会館

 BSE(牛海綿状脳症)対策特別措置法案が衆院本会議で全会一致で可決、参院に送付された四日、日本共産党、民主党、自由党、社民党の野党四党は、「『BSE対策新法』成立に関する報告集会」を国会内で開き、国会議員、生産者団体、業者団体など約二百八十人が参加しました。

 野党四党は二月に、BSE対策法案を提出。この間、百万人を超える請願署名や、決起集会など、同法案成立を求める取り組みをおこなってきました。政府・与党は当初、BSE対策は予算措置で実施済みと、新法制定を取り合おうとしませんでしたが、四月に対策法案提出を決定。与野党協議の結果、農林水産委員長提案で合意しました。

 集会では各党の代表があいさつしました。日本共産党の市田忠義書記局長は、「世論と運動こそが、政治を動かす力だということを示したもの」だと述べ、今後の課題として「損害補償をどうかちとるか、これからのたたかいにかかっている」と強調しました(4面に大要)。

 民主党の羽田孜特別代表は「署名が与党と政府を動かした」と発言。自由党の藤井裕久幹事長は「国民の求めていることに的確に対応するのが民主主義の原点だ」、社民党の福島瑞穂幹事長は「食品の安全確立に向けて今後とも努力したい」と語りました。

 集会では、農民運動全国連合会の佐々木健三会長が「(法案の)『必要な措置をとる』の内容に、ぜひとも補償の問題を入れてほしい」と要望。日本フードサービス協会の加藤一隆専務理事は「外食産業界も法律に《を入れるため一緒にやっていきたい」と発言しました。日本共産党の中林よし子衆院議員が司会をつとめました。

 BSE(牛海綿状脳症)対策特別措置法案が四日の衆院本会議で、全会一致で可決し、参院に送付されました。

 同法案は、と場でのBSE全頭検査だけでなく、これまで行われていなかった一定月齢以上の死亡牛の全頭検査が盛り込まれており、二〇〇三年四月から実施することになります。また、危険部位の焼却、牛の移動などに関する記録・管理などを義務付けています。

 また、BSE発生により経営が不安定になった生産者、加工業者、流通・販売業者、飲食店などに対し、国が「経営の安定を図るために必要な措置を講ずる」よう定めており、損害補償などは今後の課題となっています。風評被害の防止など緊急対策は、同法に基づく基本計画により定められます。


運動と4野党結束の成果

BSE対策法報告集会 市田書記局長のあいさつ(要旨)

 四日、国会内で開かれた「『BSE対策新法』成立に関する報告集会」での日本共産党の市田忠義書記局長のあいさつ(要旨)は次のとおり。

 BSE対策を求める百万の署名と、四月四日の二千人の集会の成功など、草の根の運動と結んで、四野党が結束して頑張りぬいた。それが実を結んだと思います。世論と運動こそが政治を動かす力だということを示したものとしてお互いに喜び合いたいと思います。(拍手)

 もともと政府・与党はBSE対策のための基本法を制定する気持ちはまったくありませんでした。この国会が始まる段階で内閣の提出予定の法律案件をみたら、BSE対策の基本法は入っていませんでした。四野党が法案をまとめ、草の根の運動と結んで頑張りぬいてきたことが与党をも動かしたのです。

 ある与党の新聞は「同法案は自民、公明、保守の与党三党が取りまとめをすすめてきたもので、消費者の不安解消と関係事業者の経営安定にたいする効果が期待される」と書いている。よくもぬけぬけとこういうことがいえるものだなと思いました。(笑い)

 北海道で四頭目の感染牛が発見されました。これまでの四頭全部、一九九六年の春に生まれたものです。九六年といえばその四月に、世界保健機関から肉骨粉の禁止という勧告があったときです。それを行政指導にとどめたことがこういう事態を招いたわけです。しかも、BSEの調査検討委員会で「政府の重大な失政」、「政策判断の誤りだ」と認定されたわけですから、これは国家賠償法にいう故意・過失にあたることは明らかだと思います。

 農民連の調査によると、生産者の被害総額だけで六十億円を超える。流通業者や小売業者の被害を合わせると四千億円です。これに対する十分な損害補償はほとんどやられていない。今度の法案が今日の衆院本会議で通過しますが、損害補償をどうかちとっていくかということがこれからのたたかいにかかっていると思います。

 だいたい、食の安全や安心というのはその土台に政治に対する信頼がなければ確立できません。ところがその政治に対する信頼をあらゆる分野でことごとく失いつつあるのが今の小泉内閣だと思います。野党四党は、先日小泉内閣の即時退陣を求めて共同して頑張ることを確認しました。そのために頑張ると同時に、みなさんの要求実現のために引き続き四党が結束して奮闘しぬくことを申し上げ、ごあいさつとします。(拍手)

 


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