日本共産党

2002年6月5日(水)「しんぶん赤旗」

医療改悪反対署名

1人で3千人分集めた井戸節子さん

行楽客に次々声かけ、やるほど元気に


 一人で三千人を超える医療改悪反対署名を集めた大阪府堺市の耳原総合病院の看護助手・井戸節子さん(54)は、毎週末、行楽客でにぎわう市内の府営公園に出かけ署名を呼びかけています。二日、日曜日の公園に同行しました。(内藤真己子記者)

 家族連れやグループが思い思いに、松林の木陰にシートを敷いたり、キャンプ用のいすやテーブルを持ち込んだりしてくつろぐ府営浜寺公園。

 「市内の耳原病院の者です。政府が来年から健保を二割から三割に上げるといってるのをご存じですか。反対の署名を集めているんです。お願いできますか」

 Tシャツにジーンズ、紺のキャップ、「耳原総合病院」の腕章といういでたちの井戸さん。軽い足取りで行楽客の間を回り、腰を落として次々に声をかけていきます。

 「二割でも我慢して手遅れになる患者さんが増えているんです。三割になったら病気を治して社会復帰してもらう病院の役目が果たせない」

値上げ困りますわ

 家族連れの友人グループでバーベキューしていた会社員の岡本文行さん(32)。「看板制作の会社やけど、不況で夏のボーナスはないと思う。子どもの医療費もかかってます。これ以上の値上げは困りますわ」と署名。同行の千葉壮一さん(33)も「小泉さんはもうダメ。これ(署名)で事が動いてくれたらいいと思う」と応じました。

 先に署名した妻に「一人でも多い方がいいんとちがうの」と促された、ラジオの競馬中継を聞いていた会社員(37)。「十五年働いたのにいつリストラされるか分からん。残業代も出ない。子どもといっしょに自殺せえいうんか」。怒りをぶつけます。

 「一日十四時間は働いている」というコックの男性(30)は「健保の保険料上がるのが大きいね」。妻は「お給料下がってんのに値上げなんておかしい。もっと生活に合ったことして」

地道な活動に感激

 家族や親せきと食事しながらくつろいでいた三十八歳の会社員は、国民に負担増の痛みを押しつけながら、大手製薬会社の大もうけが温存されていることに、「製薬会社の献金が自民党へ渡っている。資本主義の悪いところだ」。井戸さんが三千人分の署名を集めたことを話すと「地道に活動を続けていくというのはすごい」と感激した様子で署名に応じました。

 「公園で署名を断る人は十人に一人か二人。やればやるほど元気になって、また来ようと思います」という井戸さん。「医療改悪反対はみんなが共感できる課題です。もっともっと署名は広げられます」と、はりきっています。

 


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