2002年6月6日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の小沢和秋議員は五日、衆院厚生労働委員会で、「国保(国民健康保険)に合わせて健康保険も三割負担にする」といって医療改悪法案を通そうとする政府に対し、国保の深刻な実態を示しながら「全体を三割負担にするということは、そういう状況を職場の労働者にも広げるものだ」と追及しました。
長期の病気で働けず、夫は失業中という福岡県北九州市の女性(32)が、保険料滞納で保険証を取り上げられたため治療ができず、救急車で病院に運ばれた二日後に亡くなった――。
こうした事例を紹介した小沢氏は「災害や廃業など『特別な事情』がある人からは保険証を取り上げてはいけないと法律で決まっているのに、十分に守られていない」と指摘。厚労省の大塚義治保険局長は、この女性の例が「特別な事情の一つの例であることは当然」とのべ「一般的にいえば、なんらかの市町村の対応が期待されるべきものだ」と答えました。小沢氏は、緊急に指導を徹底するよう求めました。
小沢氏は、国庫負担削減で保険料値上げをまねいたうえ、滞納世帯が増えると保険証取り上げ(資格証明書の発行)の推進で保険料徴収率をあげようとしている政府のやり方を批判。保険証を取り上げられた世帯の人が病院に行く回数が、国保の一般世帯の人の百分の一以下に抑えられている(図)という福岡市の調査結果を示し「必要な受診は抑制されていないというのか」と迫りました。
坂口力厚労相は「(保険料の減免措置があり)市町村とよく相談していただければ、今おっしゃったようなことは起こらないのではないか」などと答えました。