日本共産党

2002年6月8日(土)「しんぶん赤旗」

ハートビル(建築バリアフリー)法とは?


 〈問い〉 いま改正案が審議されている、ハートビル法とはどんなことを決めた法律なのですか。(岡山・一読者)

 〈答え〉 ハートビル法とは、高齢者や身体障害者にも利用しやすくするバリアフリー化を、建物の分野ですすめる法律です。「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」の通称ですが、「建築バリアフリー法」とも呼ばれています。政府の改正案が四月に参院で可決され、衆院に移っています。

 一九九四年に成立したハートビル法は、建物の通路の幅や段差など、バリアフリー化の基準を政令で定め、一定の建物に、基準にそった改築などの努力を求めるものでした。

 今回の改正案は、バリアフリー化の努力を求める建物を拡大するほか、バリアフリー化が義務となる建物を新たに定めています。デパートなど不特定多数が利用する建物や老人ホームなど高齢者や身体障害者が利用する建物のうち、政令で定める規模(二千平方メートル以上)のもの、地方自治体が条例で定めるものにバリアフリー化を義務付けます。これらは一歩前進といえるもので、日本共産党も改正案には賛成しました。

 しかし政府改正案でも、▽高齢者や障害者の社会参加を権利として保障する規定がなく、計画策定などに意見を反映させる仕組みもない▽老人ホームなど高齢者や障害者に必要不可欠な建物でも、二千平方メートル以下ではバリアフリーが義務付けられず、要望のつよい理髪店などのバリアフリー化の見通しも立たない―など、大きく立ち遅れた点は残されたままです。

 そのため参院では否決されましたが、日本共産党は▽法の目的に、高齢者、障害者の社会参加の権利を明記する▽国・自治体は目標・計画を策定し、高齢者・障害者の決定参加を保障する▽小規模でも必要不可欠な建物には、バリアフリーを義務付ける▽施行五年後に見直しをする―などの修正案を提出しました。

 (清)〔2002・6・8(土)〕

 


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