2002年6月10日(月)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の市田忠義書記局長は九日、NHK「日曜討論」に出演し、今国会終盤の対応について与野党幹事長と討論しました。与党側は会期延長をしてでも有事法制三法案など「重要法案」の成立をはかる姿勢を示しました。市田氏は「相撲に負けそうになったら、土俵をひろげるようなもの。自分たちに都合のいい悪法を通すために会期延長というのは絶対に認められない」と反対を表明しました。
与党側は「全法案の成立を期す立場だ」(自民党・山崎拓幹事長)、「どの法案が優先順位とかいっていない。全部の成立だ」(公明党・冬柴鉄三幹事長)と会期延長を前提に発言しました。
市田氏は「いま一番国民が望んでいるのは、暮らしや景気をよくしてほしいというものだ」と強調。医療改悪法案が患者三割負担を求めるなど国民のふところを直撃するものであり、これに対し二千五百万人分の反対署名が集まり、六百近い自治体が反対決議をあげていることを紹介し、「そういう声に耳を傾け、会期延長をせず、(国会を会期内に)閉じることが必要だ」と述べました。
また、有事法案審議をみても「(答弁で)いっている方も何をいっているのかわからない状況」と指摘。同法案の担当大臣の福田康夫官房長官、中谷元・防衛庁長官は、それぞれ「非核三原則」見直し発言や防衛庁のリスト作成問題で「ボロボロであり、これを通すのは言語道断」と述べました。「個人情報保護」法案についても「個人情報に名を借りて、言論や表現の自由を侵すやり方だ」と批判しました。
他の野党も「きちんと国会を閉じて改めて議論し直すべきだ」(民主党・菅直人幹事長)と会期延長にそろって反対しました。