2002年6月12日(水)「しんぶん赤旗」
政府・与党が医療改悪法案の会期末(十九日)までの衆院通過をねらい、委員会採決の姿勢を強める緊迫した状況のもと、衆院厚生労働委員会は十一日、同法案への参考人質疑を行いました。発言した六人の参考人からは、法案に賛成の人も含めて、患者負担増や保険料値上げなどの問題点を指摘する声が相次ぎました。
全国保険医団体連合会の室生昇会長は、患者が不安をつのらせている実態を紹介し、「長引く不況のもとでの医療費負担の引き上げは、いのちと健康はもとより日本経済にも悪影響を及ぼす」と法案に反対。肺気腫で酸素濃縮装置が二十四時間はなせない状態の東京・荒川区の男性(82)の場合、現在は月三千四百円の患者負担が改悪後は一万一千二百円へと三倍以上にはね上がり、男性の妻(76)が「もう病院にかかれない」とのべていると訴えました。
日本医師会の青柳俊副会長は「負担増はとくに在宅療養の人にとって大きな問題だ」とのべ、試算を紹介。患者負担増などの問題点については「修正を求めていく」とのべつつ、法案の成立には賛成する立場を表明しました。
村上忠行・連合副事務局長は、「絶対反対」の立場で「国民が雇用や生活、将来への不安を強めている時に、大幅な負担増を行うべきではない」と指摘。財政が厳しいと言うなら「現在13%の政府管掌健康保険への国庫負担を、法律で定められた16・4%に引き上げるべきだ」と求めました。
日本共産党から瀬古由起子議員が質問に立ちました。