2002年6月12日(水)「しんぶん赤旗」
「医療改悪阻止へ、いっしょに行動を」と呼びかける健友会職員の人たち=11日、国会前 |
「いま頑張らなくて、いつ頑張るのか」―。与党が十四日にも医療改悪法案の衆院委員会採決をねらうなか、東京都内の医療法人健友会(十八事業所)で働く人たちが仕事のやりくりをして代表を送り出し、ウイークデーの午前中、連日国会前で、医療改悪阻止、有事法制反対を訴え、独自の座り込みをしています。
座り込みを始めて七日目の十一日は、四人の代表が「小泉医療改革に異議あり 痛み押しつけもうゴメン」の横断幕を掲げ行動。入梅し蒸し返すような暑さの中、悪法反対をアピールしました。
患者の重症化と高齢化で多忙化する病棟、人手不足の事務部門。こんななかで連日の行動に駆りたてているものは―。「今度の改悪が通ったら患者さんの命も経営も守れない」。討議のなかでこれが職員共通の思いになったからです。
連日の座り込みでは、通行人から「がんばってください」と激励も。
十一日の行動に参加した就職二年目の中西龍さん(25)=江古田沼袋診療所勤務=は、四月から老人医療の自己負担が診療所で一回八百五十円に値上げになったあと、会計窓口で聞いた患者さんのことばが胸に突き刺さっています。「また秋に上がるんでしょ。どんどん値上げされたら、死ぬ一週間前にしか医者にかかれなくなるね」。八十歳代のおばあさんでした。
「ドキーッとしました。病気を治すための医療機関なのに『看取り』でしかかかれなくなる。そんな改悪は絶対認めてはいけない。座り込みで意思表示したいと思ってきました」。流れる汗をぬぐいながら力を込めました。
中野共立病院の理学療法士の小林康雄さん(56)は、「診療報酬の引き下げで4%以上の減収。医療現場では患者さんを守るために、がけっぷちに立たされています。この状況を変えるには国民といっしょにたたかうしかない。医療人の総決起を心から呼びかけたい」と語っています。