2002年6月15日(土)「しんぶん赤旗」
国民の切実な声に耳を傾けず、悪法成立を急ぐ自民、公明、保守の与党三党は十四日午前、野党四党と国民の抗議のなか、与党単独で衆院厚生労働委員会を開会し、サラリーマン本人の医療費自己負担を三割に引き上げるなど年間一兆五千億円もの国民負担増を押しつける医療改悪法案の採決を強行しました。日本共産党の市田忠義書記局長は、同日の記者会見で、この暴挙に厳しく抗議するとともに、「会期延長をやめさせて、廃案に追い込むため全力を尽くす」と語りました。
与党三党は、参考人質疑や地方公聴会で相次ぐ批判や懸念の声を踏みにじり、防衛庁リスト問題での報告書隠ぺいなどへの国民の批判もふりきって採決を強行したものです。
この日午前、与党は単独で衆院厚生労働委の開会を強行。自民党議員に続いて質問に立った公明党の福島豊議員が「(法案の)最終的判断をいま下すときが来ている」と採決を促しました。
福島議員の質問が終わった直後、自民党の鴨下一郎議員が質疑打ち切り・採決を求める動議を提出。委員会室に詰めかけていた野党議員が抗議の声を上げ、森英介委員長(自民)の採決をとる声がまったく聞こえないなか、与党委員が起立・着席を四回繰り返して散会しました。
採決強行後、野党四党は衆院厚生労働委の理事・委員が国会内で記者会見し、正午からは野党四党合同の緊急抗議集会を開き、与党の単独採決を「言語道断の暴挙」と抗議しました。
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「運動を広げて廃案にしよう」――。十四日、医療改悪法案の強行採決という与党の暴挙に、国会周辺は千五百人がつめかけ、怒りにつつまれました。
国民大運動実行委員会、中央社保協、連合、全建総連の人たちが朝から傍聴。午前九時半には連合が、十時十分すぎの「採決」強行と同時に全建総連が、それぞれ座り込みを開始しました。
社保協などは同二十分すぎから衆院議員面会所で抗議行動。「この目で見た国民に背向ける自民、公明の姿を知らせ、医療改悪法案を廃案に追い込む」との声が相次ぎました。