2002年6月15日(土)「しんぶん赤旗」
|
「悔しい。でも、がんばらんば、いかん」。十四日、医療改悪法案が衆議院厚生労働委員会で、自民、公明、保守の与党のみで強行採決した暴挙に、塚本勇一さん(54)は、唇をかみしめました。塚本さんは福岡県社会保障推進協議会事務局長。「こんな採決許されん。ここで引き下がるわけにはいかん。福岡は、九七年の医療改悪より燃えて運動し三十万人以上の署名を集めてきたんだ」
国会前。労働組合員が数百人。「健保法案は廃案にせよ!」。怒りのシュプレヒコールがこだまします。
小雨が降るなか、労働組合員と並んで座り込んだ東京・柳原病院の柏葉長一さん(50)。「ワールドカップに国民の目が奪われているすきに、採決するとはけしからん。防衛庁のリスト問題で国会審議がストップしているときに、何で国民の命にかかわる法案だけ、強行に審議して採決するのか」と怒ります。
早速、法案を強行採決した与党委員に抗議してきた飯島登さん(77)は、「自民党秘書は『抗議の気持ちは無理ありません』と謝るんです。だったら、通すな。国民世論の反対の強さに与党も単純じゃないな。もっと声を広げますよ」。
飯島さんは、東京・中野区で健友会友の会会長を務めます。政府・与党が「国民皆保険制度を将来にわたって維持するため」として改悪を強行することに、語気を強めて批判します。
「国庫負担を引き下げ、医療保険財政を赤字にし、その埋め合わせを国民に押しつけ、結局病院から遠ざける。改悪が通れば、皆保険制度は崩れさる。すでに、国民健康保険では保険証が取り上げられる事態です」
庶民のささやかな幸せは健康であってこそ、と活動する飯島さん。「国民の健康と命を守ることが政府の責任でしょ。それができない政府は変えるしかない。去年の今ごろ、小泉さんは『古い自民党はぶっつぶす』といっていた。今度は国民が小泉政権をぶっつぶす番です」