日本共産党

2002年6月18日(火)「しんぶん赤旗」

鈴木議員の逮捕許諾を請求

あす本会議で議決へ

林野庁めぐるあっせん収賄容疑


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衆院議院運営委員会理事会。右側手前2人目は児玉健次議員=17日午後6時30分、国会内

 林野庁の行政処分をめぐる鈴木宗男衆院議員(54)=自民党離党=のあっせん収賄疑惑で、東京地検特捜部は十七日、東京地裁に鈴木氏の逮捕状を請求、同地裁の要求を受けた内閣は同日閣議決定し、衆院に逮捕許諾を請求しました。十九日の本会議で議決されれば鈴木議員は同日中に逮捕される見通しです。国会での疑惑追及を受け、ついに鈴木議員逮捕という局面を迎えたわけで、今後、捜査とともに、国会での真相解明と政治的道義的責任の追及、再発防止が大きな課題になってきます。

 逮捕状請求に先立ち、検察当局は、首脳会議を開き、鈴木議員の逮捕に向けた最終的な捜査方針を確認しました。

 特捜部の調べなどによると、鈴木議員は官房副長官に就任した直後の一九九八年八月四日、違法伐採で入札参加資格停止の行政処分を受けた後援企業「やまりん」(北海道帯広市)会長らから依頼を受け、同社が処分で不利益を被らないよう、林野庁幹部に口利き。同日、やまりん側から見返りとして現金約五百万円のわいろを受け取った疑いが持たれています。鈴木議員はうち四百万円を資金管理団体への献金として処理しましたが、特捜部は、この現金が公平な処分をゆがめる「不正行為のあっせん」に対するわいろと認定しました。

 逮捕許諾請求は、十八日の衆院議院運営委員会で審査されますが、審査は秘密会形式で行われ、森山真弓法相らが被疑事実などを説明。また、鈴木議員が弁明を希望しているため、同議員の出席を求めて聴取。その上で、十九日の委員会で許諾の可否を採決、続いて本会議で議決します。

 鈴木議員をめぐる疑惑は、一月以来、国会で問題になり、日本共産党が外務省のマル秘文書をもとに鈴木議員のムネオハウス(国後島「友好の家」)疑惑などを追及。事態を動かしてきました。


きょうあす議運委審査

 鈴木宗男衆院議員の逮捕許諾請求の取り扱いをめぐる協議が十七日、衆院議院運営委員会理事会で断続的におこなわれました。

 夕方の議運委理事会で自民党理事は、十八日に議運委で法務省の説明と、本人が希望するのであれば鈴木氏本人の弁明を受け各党が持ちかえり、十九日の議運委で各党が態度表明した後、本会議採決という二日間の日程を提案しました。

 日本共産党の児玉健次議員は、「逮捕許諾請求は金権腐敗政治への国民の怒りにこたえるものとして、国会審議が不正常なもとでも他の問題と切り離して速やかに処理すべきだ」としたうえ、「十八日中の本会議採決をおこなうべきだ」と主張しました。自由党、社民党も同意見を主張しましたが、民主党は十九日の本会議の処理を主張、鳩山邦夫委員長の職権で与党提案どおりにおこなうことを決めました。

 同時に与党側は、「会期末で何があるかわからない」などとして十八日の本会議開催を提案。野党四党は医療改悪法案の採決の危険もあるとみて、強く反対しましたが、委員長職権で強行設定されました。

 


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