2002年6月21日(金)「しんぶん赤旗」
「痛み押し付け。強行採決でごり押し。もう我慢できない」。東京・立川市の立川相互病院待合室では、会期を延長してまで国民の命を削り、痛みを押し付ける医療改悪法案を二十一日の衆院本会議で採決を強行しようとしていることに怒りの声が上がりました。
「えー退職者の医療費も三割になるの。きっと周りのだれも知らないと思うよ。こんな状態で強行採決なんてとんでもない!」というのは、東京・杉並区の佐々木芳一さん(65)。会社を退職後、国民健康保険に加入。サラリーマンの退職者が対象の退職者医療制度は現在は二割負担。ところが改悪されれば三割負担になることを知りました。「絶対に廃案にしないと」といいます。
「痛み押しつけの小泉首相は許せない。公明党はムネオに金をもらっている議員もいる。そのうえ医療費負担増に反対の公約を破るとはひどい」と佐々木さん。胃の手術をして七十万円かかりました。現在も術後の治療で通院中です。
福生市の石井優子さん(35)は「市民の怒りの意思表示は選挙。国会解散させて自民党の政治を終わりにすることね」と、“ムネオ”逮捕に続いて医療改悪法案を通すための会期延長に怒ります。
「夫はNTT関連の会社ですが給料は上がるどころか、八万円もダウンですよ。カゼぐらいでは病院にこない。痔(じ)の手術をしないといけないのですが、怖い、カネがない、休めないの三つの理由で入院しないのです」と石井さん。「私は夫の保険でヘルニアの治療をしています。通院していますが、月七万円ぐらいになります。みんなで医療改悪をつぶしましょう」と話していました。
昨年四月、会社をリストラされて失業中の伊藤覚さん(55)=立川市=。職安通いのうちに倒れ、いま生活保護を受けて療養しています。「元公明党員」という伊藤さんは、公明党が公約を破って医療改悪を推進したことに「公明党・創価学会の目的は政権入り。そのためならどんな裏切りもやる」と怒ります。
いまも週二回は職安に通って仕事を探しているという伊藤さん。「就職できたら健保に戻る。でも三割なんてとても払えない。ホントに弱いものいじめだよ。共産党にがんばってほしい」
日野市の渡辺和之さん(71)は昨年、脳こうそくの発作で倒れて入院して以来、通院中です。「医療費値上げは、いいなんていう人はいないんじゃないの。問題は税金の使い方ですよ」と。「軍事費をもっと少なくしていけばいい。小泉さんは『備えあれば憂いなし』っていうがいったいどこに備えるの? おかしいよ」といい、あらゆるムダを削れと語りました。