2002年6月22日(土)「しんぶん赤旗」
国が地元農家・住民の反対を押し切って熊本県に建設しようとしている川辺川ダムで、関連事業の受注企業が一九八六年から二〇〇〇年に自民党へ約六億円にのぼる政治献金をしていることが二十一日、小沢和秋衆院議員の調べで判明しました。
有明海沿岸の長崎、佐賀、福岡、熊本四県の日本共産党県委員会が長崎県庁で記者会見し明らかにしたもので、松岡徹・熊本県副委員長は「カネの流れ・金額を見ても、目的を明確に反映している。鈴木宗男氏の問題にも、諌早湾干拓、川辺川ダムにも共通する問題で、公共事業受注企業からの献金はさしあたり禁止することが、日本の政治の課題だ」と指摘しました。
受注企業からの献金は、(1)自民党県連へ約四億五千万円(自民党熊本県建設支部を経由したものを含む)(2)自民党地元国会議員へ約一億三千万円(3)旧建設省出身の自民党国会議員(佐賀県選出)へ二千三百万円――の三ルートあわせて約六億円。自民党県連への献金総額のうち、同ダム関連事業受注企業からのものが36%を占めています。とくに、ダム本体着工の山場だった二〇〇〇年には、70%が受注企業からのものでした。
献金している企業の中には、長崎県の公共事業で談合し公正取引委員会に排除勧告され、九州地方整備局などから指名停止の処分を受けたゼネコンの若築建設、東亜建設工業なども含まれています。
小沢和秋衆院議員の話 川辺川ダム関連事業を受注したゼネコンなどから十五年間に自民党に約六億円の献金がおこなわれていることが判明した。受益農家や周辺住民が「ダムはいらない」と反対しているのに、川辺川ダム建設が止まらない背景に、政官財の癒着がある。鈴木宗男衆院議員のあっせん収賄容疑は、政治資金規正法にもとづいて届け出た献金であっても、わいろとして認定されることが示された。わが党は企業・団体からの政治献金を禁止すべきだと主張しているが、少なくとも癒着の温床となる受注企業からの政治献金を禁止すべきである。