2002年6月25日(火)「しんぶん赤旗」
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「情報を得ようとした市民を敵視し、監視するために、防衛庁・自衛隊の調査部門ぐるみでリスト作成を行っていたのではないか」――。日本共産党の木島日出夫議員は二十四日、防衛庁の情報公開請求者リスト作成問題で集中審議をした衆院有事法制特別委員会で、問題の核心をこう指摘し、政府を追及しました。
木島氏は「(防衛庁・自衛隊が)身辺・思想調査をしたことが根源的に問われている」と強調。情報公開請求者のリストを作成した海上自衛隊幕僚監部(海幕)情報公開室の三等海佐が、海幕調査部など情報収集・諜報(ちょうほう)活動を行う調査部門の経歴があり、リストを手渡した主な相手も同部門の人物であったことなどを明らかにして、防衛庁・自衛隊の各情報公開室に同部門の経験者が何人いるかをただしました。
中谷元・防衛庁長官は、陸幕・海幕・空幕の情報公開室にそれぞれ二人ずつ、内局に一人の計七人がいることを明らかにしました。
木島氏は、国民の当然の権利である情報公開請求を担当する部署に、逆に国民を監視し、情報収集を任務とする調査部門の人間が配置されていたと批判し、「まぎれもなく調査部門ぐるみの行為だ」と追及しました。
中谷長官が「リストは業務上使用していない」と述べたのに対し、木島氏は「市民の情報が調査され、それが調査部門によって保管されていること自体が大問題だ」と批判。「報告書で一件落着というわけにはいかない」と強調しました。