2002年6月25日(火)「しんぶん赤旗」
衆院憲法調査会の中山太郎会長は、二十四日開いた札幌地方公聴会後記者会見し、憲法九条の「改正」や国会で審議中の有事法制に批判的な発言が公述人から相次いだことに対し、「北の地域で、二十一世紀にどうかかわっていくのかという意識があまりにも少ない。あまりにも(この日の公述人は)憲法のことをわかっていない。憲法を変えるのが当たり前だという世界の常識が、日本の常識になっていない」などと、公述人をあからさまに攻撃する暴言を吐きました。
中川昭一幹事(自民)も「私は北海道の人間として恥ずかしい思いがした。今日は北海道の遅れた面が出た」とのべました。
この日の公聴会では、公述人から「規範と現実のギャップをいうなら九条と自衛隊の存在が最大のもの。社会全体にあきらめや失望感をもたらした」(田中宏北海道弁護士会連合会理事長)、「憲法に違反する現実の存在が憲法を直ちに無意味にするわけではない。憲法違反の現実をつくりだした政治家の責任が問われるべきだ」(結城洋一郎小樽商科大学教授)、「福田官房長官や安倍副長官の非核三原則見直し発言は許されない」(佐藤聖美さん・学生)など、政府の九条改悪の動きに厳しい批判が相次ぎました。中山会長らの発言は、憲法擁護を求める国民を敵視する改憲論者の姿勢を浮き彫りにするものです。
この記者会見の席で日本共産党の春名直章議員は、「きょうの議論で憲法を現実の政治と社会に生かすことが最大の課題だということが論証されたと思う。その意味で今日の地方公聴会は意味があった」と述べ、公述人の発言を積極的に評価しました。