日本共産党

2002年6月26日(水)「しんぶん赤旗」

道路四公団見直し「推進委」設置で進むか?


 〈問い〉 道路四公団民営化の推進委員会が設置されましたが、むだな道路建設の見直しは進むのでしょうか。(東京・一読者)

 〈答え〉 道路四公団とは、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団です。国などから借金をし高速道路などを建設、料金収入などで返済しています。東京湾横断道路のような採算を無視した道路建設で、借金は三十八兆円に達します。さらに二千キロほど、国が決めた高速道路建設計画が残っていますが、採算の見通しもありません。

 この問題を四公団の民営化で解決するというのが、小泉「改革」の看板の一つでした。この一環として、道路関係四公団民営化推進委員会の設置法が六月に成立しました。首相が任命する七人の委員が「第三者機関」として民営化の組織などを調査・審議します。しかしこの委員会はむだな道路建設にメスをいれるものではありません。

 推進委員会は、調査審議の結果を年末までに首相に報告するのですが、調査審議するのは新組織と採算性確保にかんする事項だけです。道路公団の借金返済計画を左右する個別路線の決定権は、これまで通り国土開発幹線自動車道建設会議と国土交通大臣にあります。

 もともと道路公団の民営化計画じたいが、残された建設計画に手をつけないものです。政府は公団に国費を投入することをやめますが、公団は借金の返済期間の上限を五十年とします。五十年あれば借金の返済をしながら、残った高速道路建設もほぼ計画通り進められる試算です。国民は、不要な道路建設で数十年も余分に料金を払いつづけることになります。

 むだな道路建設に本当にメスを入れるには、国が決めた建設計画を凍結し、必要性、採算性などを抜本的に見直す枠組みが必要です。高級官僚や公団幹部の関連企業への天下りや、公共工事受注業者からの政治献金なども禁止すべきです。今回の法律や民営化計画で、これらの問題は手付かずです。

)〔2002・6・26(水)〕

 


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