2002年6月28日(金)「しんぶん赤旗」
春名直章議員が信書便法案の「信書」の定義について政府の解釈をただしたのは、「信書」の範囲をどう定めるかが郵便サービスのあり方そのものを大きく変えてしまう重大問題だからです。
法案は、「信書」の定義を「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」とし、低廉な料金設定や全国展開などの条件をつけたうえで、信書便サービスに民間業者の参入を認めています。
一方で、この「信書」の定義に当てはまらないものは、無条件で、民間業者が参入できるようになります。
総務省は、これまでのダイレクトメールは「信書」に当たるという解釈を変更するつもりはないとしています。小泉純一郎首相は、ダイレクトメールを「信書」から外す意向を示しています。こうした食い違いはそのままにして、その具体的な線引きは、法案成立後、総務省がガイドラインで定めるとし、政府に白紙委任されます。
春名氏が指摘したように、もし「信書」の解釈が緩和され、ダイレクトメールなど収益性のある分野が民間業者に開放されれば、信書便サービスに与える影響は甚大です。それは、経営を圧迫し、個人利用者や過疎地・離島へのサービス切り捨てにもつながります。
こうした重大問題をあいまいにしていること自体、「法案の根本的な欠陥」(春名氏)を示すものです。(佐藤高志記者)