日本共産党

2002年6月28日(金)「しんぶん赤旗」

入院患者からも国保とりあげ

中央社保協よびかけ

福岡県で実態調査


 国民健康保険(国保)の滞納と保険証未交付世帯が急増し、必要な医療が受けられない事態が生まれている問題で二十七日、中央社会保障推進協議会などがよびかけた国保問題現地調査が福岡、北九州両市で始まりました。北海道から沖縄まで全国から二百人以上が参加。両市、医師会、民商、生活相談所など約三十カ所・団体から実態を聞き取りました。

 民医連の大手町病院(北九州)や千鳥橋病院(福岡)で職員が多くの事例を紹介。次のようなケースがありました。

 ▽肺炎・肺気腫で入院した五十三歳。一九九七年に会社が倒産し、一年継続療養の後、健康保険の資格を喪失。国保料が高く、加入できずにいたところ、高熱が続き受診したいので市に相談。滞納分を全額支払わないと保険証は発行しない、と言われ、その後症状は悪化して受診・入院。

 ▽脳梗塞後遺症の八十一歳。入院時にすでに短期保険証しか発行されていず、入院中に期限が切れ、保険証未交付に。国保法が保険証を取り上げてはいけないとしている対象者からも取り上げている事例の一つです。

 調査団の奈良県社会保障推進協議会の櫂谷喜代志事務局長は、「一般常識として、入院中に保険が切れたらどうなるかすぐわかることだ。生存権も人間としての尊厳もまったく考えられていない。あらためて行政の対応が問われていると感じた」と感想を語りました。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp