2002年7月4日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の石井郁子衆院議員は三日の衆院文部科学委員会で、帝京大学(沖永荘一総長)が合格発表前に多額の寄付金を集めていた不正入試疑惑について、同大の沖永荘一総長が直接入試に関与していることを指摘し、証拠文書をつきつけ、文部科学省に疑惑の解明を迫りました。
沖永総長は文部科学省の聴取に「(今年三月に死亡した)前事務局長の判断でやったと思う」などと“死人に口なし”とばかりにみずからの関与を否定していました。
証拠文書は帝京大経済学部を受験する同大付属の高校の名簿。寄付金額と「総長ルート」との文言が書かれています。石井氏は沖永総長が入学に必要な寄付金額を書き込み、総長側に寄付を持っていくことなどを指示していると指摘しました。
石井氏は、帝京大学では学部レベルでの教授会には総長から合格者数が告げられるのみで、合否判定が総長サイドで密室で行われていると指摘。「沖永荘一総長自身の関与は明らか」だとして沖永荘一総長の参考人招致を求めました。
文科省の工藤智規高等教育局長は「調査権がない。(帝京大の調査を)見守り、督促し厳格な対応を図っている」などと答弁。石井氏はこの十年間に文科省から帝京大グループに計七人が天下っていることを指摘し、同省の姿勢を批判しました。