日本共産党

2002年7月6日(土)「しんぶん赤旗」

1票の格差是正

小選挙区制では不可能

衆院特委で大幡議員

「5増5減」案を批判


 日本共産党の大幡基夫議員は五日の衆院倫理選挙特別委員会で、衆院小選挙区の区割りを「五増五減」に変更するなどの公職選挙法「改正」案について質問し、「小選挙区制のもとで一票の格差は是正できない弊害を浮き彫りにした法案だ」と批判しました。

 衆院選挙区画定審議会の勧告に基づく法案は、一票の格差是正を目的に全国六十八選挙区で区割りを見直しましたが、格差が二倍以上の区が九つも残りました。大幡氏は、一九九九年十一月の最高裁判決で十四人中五人の裁判官が一票の価値の平等を侵害する「格差二倍以上」を違憲と判断したことの意味は重いと指摘、区割り変更で矛盾が出ている例として高知、徳島両県をあげました。

 高知県では、法案で島根県の議席を一減らすと自動的に議員一人当たりの人口が全国最小になるため、「格差縮小」を名目に区割りが変更されました。これに伴い、高知県の次に人口が最小になる徳島県の区割りも変更されたため、徳島県議会では全会一致で反対の意見書が採択されています。

 大幡氏は「『格差二倍以上』を減らすため、無理に数合わせをしたことへの批判が起きている。小選挙区制のもとで起こっている事態だという認識はあるか」とただしました。

 総務省の大竹邦実選挙部長は高知県の例について「数字合わせとの批判はあるかもしれない」と答弁。片山虎之助総務相は「いろいろな問題はあるが最大限の努力をした。直ちに制度自体がおかしいとはいえない」と答えました。

 


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