2002年7月6日(土)「しんぶん赤旗」
|
東京・羽田空港発の民間航空機定期便に迷彩色の戦闘服に身をかためた自衛隊員集団が搭乗――。五日午前、北海道を舞台にした自衛隊の北方機動演習で、民間定期便を使った移動訓練がおこなわれました。
これは六月三十日からおこなわれている北方機動演習の一環。民間航空の軍事利用に反対する航空安全推進連絡会議など航空関係三団体が中止を求める要請文を事前に中谷防衛庁長官あてに送っていました。
移動訓練に使ったのは、日本航空の、羽田―新千歳511便と羽田―帯広531便、日本エアシステム羽田―釧路135便で、合計三十八人が搭乗。迷彩服集団に驚く乗客の姿が目立ちました。訓練は七日と、二十三日〜二十八日には日航、全日空など四社の航空機で予定されています。
自衛隊員を乗せた民間航空機が着陸した北海道の釧路空港は、観光シーズンなのに、迷彩服の自衛隊員で到着ロビーは異様な雰囲気に包まれました。
平和団体とともに監視行動に参加した日本共産党の石川明美釧路市議は、「一般客とともに戦闘服で搭乗する移動訓練は、昨年二月の日米共同積雪寒冷地訓練で米陸軍兵士がおこなったのが最初だが、自衛隊では初めてではないか。有事を想定した訓練は絶対に許せない。軍事利用された航空機は国際法の保護からも外され、観光客を戦争にまき込む大変危険なものだ」と話しました。