2002年7月10日(水)「しんぶん赤旗」
反対討論をする春名議員=9日、衆院本会議 |
郵便事業への民間参入を認める信書便法案など郵政関連四法案が九日の衆院本会議で、自民、公明、保守の与党三党などの賛成多数で可決され、参院に送付されました。
四法案の反対討論にたった日本共産党の春名直章議員は、郵便事業は大都市などでの収益を過疎地での赤字などにまわして成り立っており、そこに民間が“いいとこどり”で参入すれば、「ユニバーサルサービス(全国均一のサービス)の後退に直結する」と指摘しました。
春名氏は、信書便法案について、「信書」の定義や参入条件という法律の根幹が政府の恣意(しい)的な判断に委ねられている欠陥法案だと指摘。「(これでは)ダイレクトメールなど民間業者が確実にもうかる分野への参入を促進し、いいとこどりを進めるものとならざるをえない」と主張しました。点字郵便物の無料化条項を復活しなかったのも廃止・縮小に道を残すためだと批判しました。
さらに、郵政事業を新しく郵政公社に移行させる日本郵政公社法案は、公社の予算・決算などへの国会の関与を排除する一方で、公社が関連会社に出資することを可能にしていると指摘。「(公社の)新たな利権構造を拡大することにつながる」と批判しました。
また、法案の狙いが郵便貯金・簡易保険の民営化にあると強調。大銀行への巨大な利権が生み出される一方、「安心・安全の庶民の貯蓄を根底から危機にさらす」と指摘しました。
◇
四法案のうち、信書便法案と同法関係整備法案は与党三党が賛成し、日本共産党、民主党、自由党、社民党の野党四党は反対。衆院総務委員会で「修正」が加えられた日本郵政公社法案と同施行法案は、与党三党と社民党が賛成し、他の野党三党は反対しました。