2002年7月10日(水)「しんぶん赤旗」
質問する吉岡吉典議員=9日、参院外交防衛委 |
中谷元・防衛庁長官がインターネット上の自分のホームページ(HP)で、憲法の「書き直し」、集団的自衛権の明記を主張していることがわかりました。日本共産党の吉岡吉典議員が九日、参院外交防衛委員会でとりあげ、憲法の尊重・擁護義務を負う国務大臣が憲法批判をするのは重大だと追及しました。
ホームページで中谷長官は、憲法の「書き直し」を要求し、九条について「国連平和活動にも積極的に参加できるよう態勢を整える必要がある」と主張しています。
また「今、日米関係は、大きな転換期にきている」とし、「集団的自衛権を明記する」と強調。「集団的自衛権のない国など、どこにもない」「集団的自衛権の必要性と日本国憲法の解釈…を真剣に考えて、これからの日本は進まなくてはならない」としています。
吉岡氏の追及に中谷長官は、憲法と集団的自衛権の問題について「研究してもいい」とする小泉内閣の政府見解をのべた上で、「集団的自衛権行使は憲法の改正手続きをしておこなうべきだ」と開き直りました。
また中谷長官が、三月二十四日の防衛大学校卒業式での訓示で、「『国家の防衛』という概念は、『我が国に対する直接侵略への対処』のみに限定することができなくなった」とのべたことに、吉岡氏は「自衛隊法が定める『専守防衛』の変更を意味するものだ」と指摘。将来の自衛隊の中心幹部にこうした訓示をするのは許されないと批判しました。