2002年7月12日(金)「しんぶん赤旗」
東京女子医大病院が心臓手術ミスで群馬・高崎市の平柳明香さん(当時十二歳)を死亡させ、カルテ改ざんなど隠ぺいしていた事件について十一日の参院厚生労働委員会の参考人質疑で日本共産党の小池晃議員は、林直諒院長に心臓血圧研究所(心研)所長の関与をただしました。
小池議員は明香さんの「血漿(しょう)分画製剤申入書」にある「受持医」の名前が記述されていることについて質問。林院長はこの人物が明香さんの主治医で心研所長だった人であり、逮捕された執刀医・講師(46)の主任教授だったことを認めました。そのうえで、林院長は「元教授によると、退官を控えて最終講義の準備に忙しく手術に立ち会っておらず、事後に執刀医の講師から『問題はなかった』と聞いたそうだ」とのべました。
小池議員は「主任教授ならば、重大事故については当然、報告をうけていたはず。大学の内部調査報告には同元教授の役割などまったく記述されていない。組織的に隠ぺいしているのではないか」と追及。
林院長は「実際に行われていたことがよく分からない。内部調査の限界」などと答弁。小池議員は「まるで人ごとのようだ」と批判し、心研所長の関与を隠ぺいする構造的問題の究明を求めました。
同委員会では、「気管内チューブ抜去、薬剤投与死亡事件」がおきた川崎協同病院(川崎市)の佐々木秀樹小児科部長と、厚労省の「医療安全対策検討会議」の起草委員長で東海大医学部付属病院(神奈川県伊勢崎市)の堺秀人副院長も招致しました。