2002年7月17日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 日本と韓国とがそれぞれ竹島の領有を主張しているのはなぜですか。(島根・一読者)
〈答え〉 竹島(韓国側では独島)は、島根県隠岐島西北方に位置し、二つの小島と約四十の岩礁からできています。周辺海域はワタリガニなどの優良な漁場でもあり、その領有をめぐる問題は、日韓両国の係争事項となっています。
竹島は、古くから日韓両方の文献に登場していますが、長くどこの国の領土としても確定されない無人島のままでした。一九〇五年、日本が竹島を島根県に編入してからは、国際的にも日本領として扱われるようになり、現在は島根県隠岐郡五箇村に属するとされています。
一方、韓国は、一九〇五年の日本の領有手続きそのものが無効だとして、「独島は厳然たる韓国領土」と主張しています。この時期は、日本の天皇制政府が朝鮮の植民地化をすすめていた時期でもあることから、こうした主張には検討すべき問題もあるといえるでしょう。
第二次大戦後の一九五二年、韓国は一方的に竹島を武装占拠し、八八年の領海十二カイリ宣言以降は、日本漁船は韓国側に排除され、竹島の十二カイリ以内には近づけなくなっています。最近では埠頭(ふとう)まで建設するなど、韓国は「実効支配」の既成事実化をすすめています。こうしたやり方に、道理はありません。
竹島問題には、このような複雑な経過と背景があり、その正しい解決のためには、なによりも相互の主権を尊重し、平和友好の精神をつらぬきながら、ねばりづよく交渉し、解決することが大切です。そのためにも韓国側は、竹島の一方的占拠を中止するべきです。
日韓両国は、九八年の新日韓漁業協定で竹島の領有権問題の決着を事実上棚上げし、周辺海域を「暫定水域」とし、日韓の入りあい操業をおこなうことで合意しました。日本共産党は、この新協定を現実的な解決策として賛成しました。
(松)
〔2002・7・17(水)〕