2002年7月25日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は二十四日の記者会見で、有事法案成立のため「国民保護法制」を前倒しで策定する動きが政府・与党内から出ていることについて、「有事法案は海外での米国の戦争に武力行使をもって参加し、そこに国民を強制動員するのが本質だ。その枠内での『国民保護』措置なるものは、法案の欠陥を埋めるものでも、本質を変えるものでもない」と批判しました。
志位氏は、「国民保護法制」について、「結局、『有事』の際に、国民を強制的に疎開、避難させ、さまざまな統制措置をとるなど、強制が伴う措置になる」と指摘。「『有事への備え』だということで、防災訓練のように“有事訓練”をやるということも含まれるなど、国民を強制動員していく法制の一部になるものだ」とのべ、「この法制の前倒しと引き換えに、有事法案を通すことは、とんでもない話だ」と批判しました。
また、今国会で審議されている有事法案に、与党からも批判の声があがっていることについて、「法案自体のできばえが悪い、見直すということを与党自身が言い出している」と指摘。「与党自身が欠陥があると認めている以上、廃案にすべきだ。継続にするなどと厚かましいことをいうべきではない」と強調しました。