日本共産党

2002年7月25日(木)「しんぶん赤旗」

秘書給与流用ただす

衆院政倫審で児玉議員

田中議員は疑惑否定


 衆院政治倫理審査会は二十四日、田中真紀子前外相の公設秘書給与流用疑惑について公開審査を行いました。田中氏は「給与は最終的に秘書本人に渡っており、一部を流用したという事実は一切ない」と弁明し、疑惑を全面否定しました。

 田中氏は、当選後数年間にわたってファミリー企業の越後交通グループ社員を公設秘書に出向させ、国から支給される給与をいったん企業側に渡し、企業を通じて支給していたことについて「身分保障のための本人の希望」だったと強調。会社による給与肩代わりもなかったとのべました。

 日本共産党の児玉健次議員は、元公設秘書(一九九八年二月〜六月)に対する出向中の給与三百六十四万円余が四年間も田中氏側から企業に渡っていなかったことについて「企業から田中議員への寄付行為ではないか。政治資金収支報告書に記載したのか」と質問。参考人の竹田真一郎弁護士は「おそらく記載していない」と答えました。

 また児玉氏は、秘書の希望で身分保障のため出向扱いにしたという点について、秘書を辞めた後に原職に復帰した人がいないことを示し、田中氏の主張に意味がないと指摘。「本人の希望に反し秘書に出向させたことの責任はないか」とただしました。田中氏は「最初の立候補のときは納得してやってもらった」との答弁に終始しました。

 児玉氏は「私たちが調査してきた事実と大きく乖離(かいり)している。今後も真実を明らかにしていきたい」とのべました。

各党が質問

 自民党の大野功統議員は、公設秘書を出向させた会社が立て替えた給与を田中氏の後援会に請求していたことを取りあげ、「公私を分けるべきではないか」と質問。田中氏の補佐として出席した林崇参考人(公認会計士)は「会社の方としては、出向の立て替えを請求して、それが入金されればいい」と答えました。

 また、大野氏は、田中氏の政治資金収支報告書(九八年)では人件費が五百十五万円なのに、会社の立て替えが八百八十八万円であり、「どうして(全額を)払えるのか」と質問。田中氏は「わたし個人で現金で会社に渡したことがある」と答えました。

 民主党の永田寿康議員は、田中氏の元公設秘書から入手した「各人の給与明細」という文書に、公設秘書給与から住民税等本人課税負担分として給与の10%分を支払った残りを私設秘書三人を含む四人で均等配分すると書いてあることについて「何を意味するのか」と質問。田中氏は「初めて聞いた」「(給与のことは)任せていたので、説明することは困難だ」とのべました。


志位委員長が感想

 日本共産党の志位和夫委員長は二十四日、国会内の定例記者会見で、衆院政治倫理審査会での田中真紀子前外相の審査の感想を記者団から問われ、「企業の社命で、本人が望んでいないのに出向という形で秘書にすることが、さまざまな問題を生み出してきた。こういうやり方をやめることがたいへん重要だと思う」と述べ、引き続く真相究明が必要との考えを示しました。

 


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