2002年7月26日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の小沢和秋議員は二十四日の衆院国土交通委員会で、熊本・川辺川ダムなどを受注した企業が自民党熊本県連に四億円以上の政治献金をおこなっている事実を示し、公共事業受注企業からの政治献金の禁止を求めました。扇千景国交相は「額が多すぎる感じはある。正直言ってびっくりしている」とのべました。
小沢氏が、一九八五年から二〇〇〇年にかけての政治資金収支報告書を調べたところ、川辺川ダムと川辺川農業利水事業受注企業八十三社から、合計四億五千七十六万円もの政治献金が自民党熊本県連にわたっていました。これは同時期、県連が受け取った企業献金総額の36・1%にものぼります。
また、九州選出の自民党国会議員への献金は、林田彪衆院議員(比例)が最も多く、五十五社から六千七百二十六万円。次いで松岡利勝衆院議員(熊本三区)が四十二社から三千三百八十五万円、陣内孝雄参院議員(佐賀選挙区)が二十一社から二千三百七十万円、園田博之衆院議員(熊本四区)が二十三社から二千二百六十九万円の順。
小沢氏は、陣内議員は旧建設省の元河川局長、林田議員も河川局出身、松岡議員は農水省出身であることを指摘、国交相の見解をただしました。
扇国交相は、「政治献金というものは公共事業受注しているところから受け取らないという姿勢が一番理想」「この業者にも今回の小沢議員の議事録も配布して、業界を指導していく」と答弁しました。
小沢和秋議員はまた、同日の衆院国土交通委員会で、川辺川ダム建設に関して国土交通省の竹村公太郎前河川局長が事実に反する答弁(四月八日、衆院決算行政監視委)をおこなったことを追及、同ダム建設に根拠のないことを明らかにしました。
四月の質問で、小沢氏が川辺川ダムがなくても熊本・人吉では球磨川の河床掘削など河川改修で対応できるのではないかとただしたのに対し、竹村前局長が、過去に人吉地区での河床しゅんせつで「温泉の泉源を切って」しまったため、それ以上できなくなったと説明していました。
小沢氏がこれにたいし、地元の八千代工事事務所が「国会答弁は間違い」と回答したことを明らかにすると、鈴木藤一郎河川局長は前答弁の誤りを認め「井戸の水位に影響を与えた」と述べました。
小沢氏は、九州地方整備局の部内会議の速記起こしを示し、「省内からもダム無しで治水が可能という意見が出ている」と指摘。地元が望んでいないダム計画について大胆に見直しを図るよう求めました。