2002年8月8日(木)「しんぶん赤旗」
小泉内閣は七日の閣議で、二〇〇三年度予算の概算要求基準を了解しました。一般歳出の上限は今年度当初比六千億円増の四十八兆一千億円。社会保障など暮らしのための経費を抑制する、国民いじめの冷たい基準です。日本共産党の筆坂秀世政策委員長は同日、談話を発表し、「今日の経済の深刻な状況に対する、政府の対応不能ぶりを示す」基準だと批判しました。
年金・医療など法制度にもとづく「義務的経費」は自然増分まで抑え込む方針で、三十三兆七千億円に抑制。政府開発援助など「裁量的経費」は対前年度2%減の五兆四千億円です。このうち在宅福祉事業費補助金や私立高校の経常費助成費補助金など「奨励的補助金」を5%削減の対象にしています。
環境破壊とムダづかいがきびしく批判されている公共投資関係費は、10%削減の目標を取り下げ、3%減の九兆円を確保。事業量は減らさない方針です。
国民いじめは歳出面だけではありません。小泉内閣は、「民間需要」をつくるためとして、法人税率引き下げなど一兆円を上回る「先行減税」を打ち出しました。財源は、将来の増税です。政府税調や経済財政諮問会議で議論されてきた個人所得税の課税最低限引き下げや消費税率アップが具体化される恐れがあります。