日本共産党

2002年8月24日(土)「しんぶん赤旗」

雇用保険料を引き上げ

10月から1.4%に

窓口認定は厳しく


 坂口厚生労働相(武部農水相が代理)は二十三日、雇用保険料の引き上げを今年十月一日からおこなう方針を同日の労働政策審議会に諮問し、同審議会もこれを認める答申をおこないました。同時に同省は、公共職業安定所(ハローワーク)窓口での失業認定を厳しくする方針も同審議会に報告しました。

 十月の引き上げは、現行雇用保険法の枠内で大臣判断で決めることができる「弾力条項」発動による措置。雇用保険料のうち労使で折半する失業給付部分の負担を、労働者月額賃金の1・2%(労働者負担は0・6%)とする現行から、1・4%(同0・7%)に0・2ポイント引き上げます。

 具体的には、月収三十万円の労働者は、現行月額千八百円の保険料が二千百円に三百円(約17%)増額されます。農林水産・清酒製造業、建設業は現行の1・4%から1・6%となります。

 失業手当支給では職安窓口での失業認定が必要ですが、従来認めてきた新聞で求人広告を見る方法などは今後求職活動とは認めず、職安や民間紹介会社などでの求職活動(二回以上)や応募が必要としました。給付削減を狙った認定の「厳格化」で、九月中に実施します。


解説

生活不安が増大

 長引く不況と就職難、大企業のリストラ・人減らしに苦しむ労働者・失業者にとって、雇用保険制度の充実・強化は切実な要求です。今回の措置はこの要求を真っ向から否定するもので、労働者・失業者の生活不安増大は必至です。

 保険料引き上げの口実は雇用保険財政の「悪化」です。しかし、失業者が増加し、雇用保険受給者が増えるという事態の大きな原因の一つは、政府の経済政策・雇用対策の失政にあります。国が国庫負担率を低く抑えてきたことも、財政を悪化させました。それを棚にあげ、国民に負担強化、失業者には認定を厳しくするというのは、まったく逆立ちした悪政です。(篠田隆記者)

 


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