2002年8月28日(水)「しんぶん赤旗」
政府は二十七日の閣議で、医療費の自己負担限度額を十月から大幅に引き上げることなどを盛り込んだ政令を決定しました。七月に与党が強行成立させた医療改悪法の関係政令です。十月から実施されるお年寄りの患者負担増とともに、医療改悪具体化の第一歩です。
医療費が高くなった場合の患者負担を軽減するために、自己負担限度額が設定されており、七十歳未満は、限度額を超えた分はあとで払い戻しを受ける償還払いのしくみです。七十歳以上は現在、限度額を超えた分は窓口で支払わなくてもすみます。改悪後は、この双方の限度額を引き上げます。(表)
さらに七十歳以上の外来では新たに償還払いを導入します。いったんは一割負担(一定以上所得のある人は二割)分を全額支払ったうえ、払い戻しを受けるための手続きも必要になり、お年寄りに大きな負担をもたらします。
一方、入院の場合は、限度額を超えた分は支払わなくてもいい現行制度のままです。厚生労働省が、償還払いでは患者の経済的負担が大きく、手続きも煩雑になると判断しました。
七十歳未満では、限度額の「1%」の算定にあたって控除される医療費について、一般で三十六万一千五百円、上位所得者で六十九万九千円としました。厚労省は、サラリーマン本人などに三割負担が導入される来年四月からは、これを一般で二十四万一千円、上位所得者で四十六万六千円に変更する方針です。