日本共産党

2002年8月29日(木)「しんぶん赤旗」

「都市再生」によるごみの処理は?


 〈問い〉 小泉内閣が“看板”としている「都市再生」では、大量のごみがでるのではないでしょうか?(東京・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣の政策の柱のひとつである「都市再生」は、東京など大都市部で大型公共事業や民間都市開発を一気にすすめるものです。規制緩和や民間事業者への優遇措置を内容とする主な関連法が、四月までに成立しています。「都市再生」計画がすすめば、建築物の大規模な建て替えなどで、大量の建設残土がでることが予想されます。

 こうした廃棄物処理に要する開発業者らのコスト軽減につながる、民活法の「改正」が七月に成立しました。関係処理施設建設に国が支援するもので、業者負担の肩がわりといえます。日本共産党は同法「改正」に反対しました。

 民活法は「基盤整備」などの名目で、民間事業者による「特定施設」整備への国の資金援助や税制優遇を定めています。国債償還のために積み立てられているNTT株売却益などが、援助資金の源資です。

 今回の「改正」では、海に埋め立てる廃棄物の「減量化施設」が、支援対象に加えられました。各種廃棄物を高温で溶かし溶融スラグにする「廃棄物溶融施設」や、土木建設で発生する残土を破砕・圧縮する「建設発生残土処理施設」が対象にあがっています。こうした設備の技術やノウハウをもつのは一部の大企業に限られ、特定大企業のための支援です。

 また、内陸の立地条件もひっ迫しているところから、海面埋め立て方式を今後も継続することをねらっています。

 最も問題なのは、ごみを元から減らすための、製造者や排出事業者の責任をあいまいにすることです。製造者・排出事業者は、みずからの負担で、廃棄物をださない対策を行い、でた廃棄物は最大限に再利用する責任があります。国の支援で処理施設をつくるのは、減量・再資源化をおこたる企業の負担軽減にしかなりません。

 (清)

 〔2002・8・29(木)〕

 


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