2002年8月30日(金)「しんぶん赤旗」
【北京29日小寺松雄】中国を訪問中の日本共産党の不破哲三議長一行は二十九日午前、北京市海淀区四季青郷の諸施設を視察しました。郷は区の下の行政単位です。
一行を迎えた王啓明郷長は、八万人が住むこの地域ではハイテク農業と緑化に力をいれて産業開発・整備を進めていると説明。不破議長は住民の年金、医療などについて質問し、緑化計画の到達目標を現状と比較した対照図を見ながら、「開発が進むにつれて緑化面積が増えるという計画は、日本の開発の方向とはまったく逆ですね」とのべました。
五百人収容の老人ホームでは、歌の好きな入所者たちが「北国之春」を歌って歓迎。日本の「北国の春」に中国語の歌詞がつけられ、人々に最も親しまれています。不破議長は「私はこの歌を作曲した遠藤実さんとは親しい仲ですから、遠藤さんに会ったとき必ずみなさんのことを伝えます」とあいさつすると、お年寄りたちから拍手と歓声が起こりました。
不破議長は郭硯如さん(78)らの部屋も訪れ、「お元気そうですね。お体を大切に」といたわりの声をかけました。
このあと一行は新しい農業技術を開発・推進している農業パークを訪問、王玉忠副社長から説明を受けました。不破議長は苗の培養センター、野菜の水耕栽培、肉牛改良などの現場を見て回り、品種や収穫効率など各所で突っ込んだ質問をしていました。
出口で揮ごうを求められた不破議長は「ハイテク農業に 中国の未来の一側面を見た思いです」としたためました。
不破議長、緒方靖夫国際局長、林信誠国際局員は二十九日午後、「しんぶん赤旗」北京支局(田端誠史支局長)を訪問。不破議長は支局に備えてある中国語版の『マルクス・エンゲルス選集』を熱心に繰っていました。