2002年8月31日(土)「しんぶん赤旗」
各省庁の二〇〇三年度の一般会計にたいする概算要求が三十日、でそろいました。総額は前年度当初予算比3・4%増の八十四兆二百億円、このうち政策的経費である一般歳出は同1・1%増の四十八兆一千億円。
概算要求の「基本方針」は、公共投資関係費と裁量的経費について要求額の20%増を認めており、一般会計は最大八十六兆八千九百億円、一般歳出は五十兆九千八百億円になります。
国民生活に直結する年金給付や医療保険、介護保険、雇用保険など社会保障関係の義務的経費は、前年度当初比3・9%増の十八兆四千六百二十八億円です。
社会保障関係費は、高齢化などによる自然増だけでも九千億円(財務省試算、医療制度改悪分を除く)が予想されますが、基本方針は、制度・施策の改悪で、これを六千九百億円に抑制するとしています。概算要求のうち、年金、諸手当は、物価スライド凍結解除(過去三年分1・7%、二〇〇二年度分0・6%)による給付減を織りこんだもので、厚生労働省は、概算要求とは別枠で三年分にあたる八百四十六億円を要求しています。
社会保障関係費とは対照的に、公共投資関係費では、国土交通省が前年度当初比16%増の七兆六千七百五十三億円を要求。無駄な公共事業を削減するどころか、大幅な要求増になっています。
財務省は、今後、査定をすすめ、最終的に一般会計と一般歳出を実質的に〇二年度以下の水準に抑える方針です。