2002年9月2日(月)「しんぶん赤旗」
血液製剤「フィブリノゲン」による薬害肝炎問題で、感染した被害者らが「薬害肝炎被害者の会」を結成し、十月提訴を目指して活動を開始したことが一日までに分かりました。
同被害者の会は、すでに結成した「薬害肝炎被害救済弁護団」(旧薬害肝炎研究会)とともに集団訴訟の原告団を支える中心になり活動します。
同弁護団は、ことし三月に国と製薬会社に法的責任があるとした意見書を提出。「危険性を予見し、代替治療法もあったのだから被害を拡大させた過失と法的責任がある」と主張しています。
被害者の会に加わるのは、出産時などに止血剤として同製剤を投与されてC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した青森県の女性など、いまのところ東北から九州までの約二十人。
弁護団は、薬害エイズ事件やハンセン病国家賠償訴訟などに取り組んできた弁護士約百人が加わり、原告が集まれば東京、大阪、仙台などの地裁に提訴する予定です。
厚生労働省は八月二十九日に同問題で報告書をまとめ、法的責任はなかったと主張しています。
薬害C型肝炎 一九六四年から発売されたフィブリノゲン製剤が感染原因となった被害。フィブリノゲンは、血液を固める働きをするたんぱく質の一つ。薬害エイズ事件で歴代社長の刑事責任が問われ、八月に大阪高裁で実刑判決をうけた旧ミドリ十字が製造販売。二十八万人以上に投与され、一万人以上の感染被害があると推計されています。