日本共産党

2002年9月8日(日)「しんぶん赤旗」

災害被災住家の被害認定新基準とは?


 〈問い〉 地震などの被災住宅の被害認定基準が新しくなっているそうですが、どう変わったのですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 地震、水害などの災害で被害を受けた住宅は政府の被害認定基準によって、全壊・半壊などの被害の判定がおこなわれています。この基準は市町村が「り災証明」を発行するさいの被害調査の基準としても用いられます。「り災証明」に記載された被害状況が、義援金の支給や被災者生活再建支援法の適用、支援金支給の判断材料となるなど、支援策とも密接な関係があります。

 この被災住家の被害認定基準が、昨年六月に改定されています。一九六八年に作成された旧認定基準は、水害で床上浸水とのみ判定された家が断熱材の吸水などによる床板・壁材の変形で居住困難だったり、震災で半壊とされた家が建物の傾きなどで居住不可能だったりするなど、実情に合わないことが指摘されていました。今回の改定は、認定をより実情にあったものにするためです。

 最も大きな改善点は、これまでは外見上の「損壊」によって全壊・半壊などの判定がされていたのを、居住のための基本的機能の喪失の程度を判定基準としたことです。建物じたいは残っていても、住み続けられないような家屋は全壊と判定されることになります。

 具体的には、建物の傾きや浸水による断熱材吸水などが判断基準に加わりました。のべ床面積にたいする被害面積の割合や、床・階段・内壁・天井・建具・設備など住家の主要な構成要素の損傷の程度をもとに住家全体の損害割合を算定、一定割合以上のものを全壊や半壊と判定します。行政の判定結果にたいし被害者などから再調査の申請があれば、申請者の立ち会いのもと、内部立ち入り調査も含めた追加の調査を行います。

 新基準から一年後の七月、日本共産党・塩川鉄也議員は自治体への周知の遅れを指摘、村井仁防災担当相が「十分な目配り」を約束しました。

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 〔2002・9・8(日)〕

 


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