日本共産党

2002年9月15日(日)「しんぶん赤旗」

介護保険 軽減利用料も値上げするの?


 〈問い〉 厚生省がこれまで軽減してきた介護保険利用料の値上げを概算要求したそうですが、どうなってしまうのですか。 (熊本・一読者)

 〈答え〉 いまの介護保険制度では、介護サービスを利用すると、10%が利用者の負担となります。ただし制度導入の前から無料のホームヘルプサービスを受けていた人は、住民税非課税の低所得者に限って当面、負担を3%に軽減する措置がとられています。二〇〇〇年四月の介護保険実施に先立って政府が決めた「特別対策」によるものです。これを足場にして、実施後の新しい利用者にも軽減措置を広げるなど、独自の施策を上乗せする自治体も広がっています。

 この3%の利用料を6%に引き上げることが、このほど厚生労働省の来年度予算の概算要求にもりこまれました。もともと政府の「特別対策」では、3%とするのは三年間だけで、その後は段階的に引き上げ、二〇〇五年までに10%にすることになっていましたが、来年度が引き上げ開始の年になるためなどと説明されています。

 いま六十五歳以上の高齢者は二千三百万人に達し、その76%が住民税非課税となる、生活にぎりぎりの収入で暮らしています。しかも介護を必要とする人の割合は低所得者ほど高く、多くの要介護者が高い利用料などで利用をはばまれ、本人や家族が苦痛を強いられています。来年度にさらに値上げとなれば、いっそうの打撃です。

 昨年十月に高齢者の保険料が半額免除から全額徴収に移行するなど、政府の「特別対策」が期限を迎え、次々打ち切られています。しかし「特別対策」を発表したとき、政府は「新しい制度ですから、種々改良すべき点がありましょう」などとのべました。政府は対策を打ち切る前に、必要な人から介護を遠ざける欠陥を解決する責任がありましたが、まともに「改良」を検討した形跡もありません。対策打ち切りには何の道理もなく世論で包囲し阻止するたたかいが求められます。

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 〔2002・9・15(日)〕

 


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