日本共産党

2002年9月18日(水)「しんぶん赤旗」

利子のつかない預金?


 〈問い〉 最近、政府の審議会で、利子のつかない預金が提唱されたそうですが、何を考えているのですか。(千葉・一読者)

 〈答え〉 首相らの諮問機関である金融審議会は九月五日、「決済機能の安定確保のための方策について」という答申を提出しました。来年四月に予定されるペイオフ全面解禁にそなえ、預け先が破たんしても全額保護される、利子がつかない「決済用預金」を用意するよう提唱しています。

 金融審の定義する「決済用預金」は、▽金利がつかない▽いつでも出し入れができる▽通常必要な決済サービスを提供できる(振り込みや、口座引き落とし、手形・小切手による支払いなどができる)―などをそなえた預金です。会社などの当座預金のほか、普通預金という名称でも金利が付かなければあてはまるとしています。

 今年四月に定期預金などのペイオフが解禁され、定期預金を、まだ全額保護されている普通預金に移したり、中小金融機関から大銀行へ預金移動が大規模に発生したりしました。“大銀行のためには巨額の公的資金、預金者は自己責任”という根本問題にくわえ、真の預金者保護はどうあるべきか、などの問題を解決しないまま、ペイオフを行おうとするから、どうしても矛盾が出てきます。

 答申はこうした矛盾への対応として出されましたが、その場しのぎの対応で、不安な預金者にはゼロ金利を選ばせることなど、疑問も噴出しています。

 しかも答申は、預金者が決済サービスの対価も払うべきだ、決済以外のお金も全額保護されることから生ずる「モラルハザード」を防ぐべきだ、などとして、預金者から手数料などのマイナス金利をとる考えさえ、ほのめかしています。銀行救済の七十兆円の公的資金枠など、自分の不始末も国民の税金で面倒をみてもらう、大銀行らの深刻な「モラルハザード」こそ問題です。

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 〔2002・9・18(水)〕

 


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