日本共産党

2002年9月21日(土)「しんぶん赤旗」

宮内庁とはどんなところ?


 〈問い〉 宮内庁とはどんな役所なのですか。予算規模はどれくらいでしょうか。(鹿児島・一読者)

 〈答え〉 皇居内にある宮内庁は、国家行政組織法によって設置された、内閣府(元総理府)の外局の一つで、皇室関係の事務を受けもつ役所です。各部局のうち、侍従職は天皇皇后・紀宮を、東宮職は皇太子一家を、特別に担当しています。

 日本国憲法第七条の「天皇の国事行為」のなかの「外国の大使及び公使を接受」し、「儀式を行う」ために、宮内庁式部職に雅楽などをふくむ儀式や接待の担当者がいます。

 憲法第二条の皇位継承などを定めた「皇室典範」第二七条には陵墓の規定があり、宮内庁書陵部陵墓課が担当しています。

 ほかに「御用邸」と称する天皇の三つの別荘、京都御所や桂離宮などと正倉院を管理する諸部門、病院、「御料牧場」などを運営する各部門などがあります。皇居をはじめ、これら不動産などはすべて国有財産です。

 宮内庁予算は今年度百九十一億円で、皇室費(七十億円)と人件費・事務費の宮内庁費(百二十一億円)に大別できます。

 皇室経済法が定める皇室費は内廷費、皇族費と宮廷費の三種類があり、内廷費と皇族費は宮内庁経理とは別扱いで、領収書もいらず、所得税などもかかりません。

 内廷費は、天皇皇后・紀宮、皇太子一家の生活費で、法律で定める定額(近年は三億二千四百万円)が支給されています。

 皇族費は天皇の男系親族(皇室典範第五条)へ総額三億一千万円が支給されています。皇族の宮家独立や女性が結婚して皇族から離れる場合には、皇族費から一時金が支出されます。

 宮廷費(六十三億七千八百万円)は、天皇の国事行為や皇室財産の管理などの費用という名目ですが、実際は、皇室の国内外の旅行や滞在先での行事参加などの諸経費もふくまれ、こうしたさいにしばしばみられる、憲法の規定を逸脱した行為にも支出されています。

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 〔2002・9・21(土)〕

 


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