2002年9月26日(木)「しんぶん赤旗」
この日、午後二時半からは、宿舎の北京飯店の十八階で、中国共産党の中央組織部との、私の分類では「会談」方式の意見交換である。
海外を訪問して、相手の党の中央組織部と特別の会談をやるというのは、私のこれまでの経験にはないことだが、事前の日程連絡にあたった緒方さんの話によると、ともかく「日本共産党の党建設の経験を知りたいんだ」という説明だったとのこと。
ただ資本主義国の共産党の活動ぶりを見たいというだけでなく、中国での党建設の参考にしたいという意欲もあるようだ、という。
緒方さん自身の経験でも、一昨年一月、わが党の招請で中国共産党の友好代表団(団長は中連部の李成仁〈りせいじん〉副部長)が訪日したさいは、支部活動を研究したいといって、仙台市では、市内の居住支部(片平支部)の支部会議にも参加、出席していた新入党者に入党の動機をたずねたり、「支部が主役」の党活動への取り組みを具体的につっこむなど、たいへん活発な“調査”活動だったとのこと。しかも、翌日早朝には、六人の代表団全員が、「しんぶん赤旗」の配達を見学したというから、私たちの党活動への関心は、ほんものである。
会談では、まず最初に、中国での党建設の概況について、李景田(りけいでん)副部長から簡潔な説明があった。中国が党建設でどんなスローガンをかかげ、どこに力点をおいているかが、要領よく分かる説明だった。「八つの堅持と八つの反対」、「四つの必ず」、人事管理の「四つの任務」など、党活動の大事な方針を、すべて中国流に定式化しているのが面白い。
私は、政権党と政権をめざしている党との活動の違いは大きいが、「それぞれの国で社会の進歩と変革のために働き、その事業への国民の支持を広げるために活動する」ということは共通のもので、その点で、おたがいの経験からくみ取るべきものをくみ取る機会にしたい、として、日本共産党が党建設で力を入れていることとして、六つの点について話した。
(一)党員の理論的・政治的な確信を強める学習活動。これを基本にしてこそ、困難にぶつかっても、展望をもって活動することができる。ここで、私たちが、一九七六年の党大会で、マルクス・レーニン主義という呼び方を廃止して、「科学的社会主義」という呼び名で統一することにしたこと、その理由は、どんな偉大な先輩でも、個人の発言の内容には歴史的な制約があり、その精神と基本的な見地をうけつぐことが大事だからだということも、解説した。
(二)機関紙である「しんぶん赤旗」で国民と結びつく努力。これは、テレビなど、マスコミが非常に高度に発達している日本では、特別に大事な課題であること、日本ではすべての新聞が各家庭に新聞をとどける配達網をもっており、そのことをぬきにしては、新聞の発展はありえないこと、この立場から、わが党は、党員一人ひとりが大変な労苦をはらって全国的な独自の配達網をつくっており、そのこつこつした活動に十四万の党員が参加していること、そういう不断の努力が二百万の「しんぶん赤旗」をささえていること、などを、詳しく話した。(つづく)