日本共産党

2002年10月3日(木)「しんぶん赤旗」

准看護師の移行教育 いまどうなっている?


 〈問い〉 准看護師が看護師になるための移行教育制度が論議されていたようですが、どうなっていますか。(北海道・一読者)

 〈答え〉 いま、日本の医療現場では、約四十万人の准看護師と六十万人の看護師がはたらいています。准看護師は、中学卒業が要件で、高校衛生看護科などの准看護師養成所で教育を受け、都道府県の試験で資格を取得します。高校卒業を要件とし国家試験で資格を取得する看護師が不足したため、一九五一年に導入されました。

 実際には准看護師も看護師とかわらない看護医療を行っていますが、労働条件など格差があります。また医療内容も高度化して看護医療も高い専門性が求められているため、准看護師制度も看護師に一本化すべきだとの強い声もあります。多くの准看護師は、十分な専門教育を受け、看護師資格を得ることを望んでいますが、いまの制度ではいったん仕事を辞めて看護師養成所で教育を受け、国家試験を受けることが必要です。

 一九九九年四月に、就業経験十年以上の准看護師に看護師への移行教育を行う方針が旧厚生省から示されていましたが、具体化が遅れていました。同省調査でも73・2%の准看護師が移行教育を希望しており、早期実施が求められていました。

 日本共産党はこの問題で、三月には小池晃参院議員が、七月には大沢辰美参院議員が国会で質問してきました。七月十五日の大沢議員の質問に、坂口力厚生労働大臣は「具体的にいろいろの問題点がありますから、この一年ぐらいの間にその煮詰めを終わりまして、平成十六年(二〇〇四年)からスタートできるようにしたい」と、初めて実施時期を明らかにしています。関係者の長年の運動がようやく実施への道を開いたものです。

 また政府は、経験の長い准看護師が就業を継続しながら看護師になれるよう「二年課程の通信制の弾力的な運用」をはかるとも述べています。希望者全員が教育を受けられるような具体化が求められます。

 (

 〔2002・10・3(木)〕

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp