2002年10月5日(土)「しんぶん赤旗」
医療機関に支払われる診療報酬が四月に引き下げられた際、外来透析中の治療食の保険給付が廃止されたことで、治療食を有料化または廃止した施設が九割にものぼることが四日までに、全国腎臓病協議会(全腎協)の調査で分かりました。
透析患者にとって食事は治療の一環です。高カロリーで、しかもたんぱく質や塩分、水分を制限する調理は治療食のなかでもっとも難しいといわれます。ところが、有料化・廃止で、治療食とはいえない弁当を業者やコンビニから購入する患者が多数になるという深刻な事態に。全腎協は治療食の保険給付の復活を求めています。
全腎協は七月に全国の約千百施設について、透析中の食事、透析時間など、診療報酬改定前後の変化を調査しました。著しい変化は食事提供でした。回答のあった千四十二施設のうち、従来どおり患者の自己負担なしで提供した施設は五十六で5%。廃止が八十二、有料が八百五十九で合わせて90%を超えました。
有料化による患者負担額は施設によりバラバラ。有料化し治療食ではない食事を提供する施設が百二十七あります。
油井清治・全腎協会長の話 患者の体調に重大な影響が及ぶのは必至。早期の診療報酬再改定を求め厚生労働省などにはたらきかけています。
全腎協は三日、診療報酬の再改定について日本共産党の国会議員に要請しました。
これには小池晃、西山とき子、宮本岳志、林紀子の各参院議員と児玉健次衆院議員が参加。「地元での透析施設や患者からの聞き取りをした。希望者のみ有料で食事が提供されるようになり、低所得者は、食事をとれず、ふとんをかぶって他の患者が食事するのを見ないように耐えていると聞いた。こんな差別は許されない」とのべ、国会で追及することを約束しました。